子どもの豊かな育ちを支援する次世代の伊達なみやぎの学校をマネジメント!
~学校改善と共同学校事務室の在り方の追究~
宮城県公立小中学校事務職員研究会
会長 桑原 裕之
5月の総会において会長を仰せつかりました 名取市立不二が丘小学校 桑原 裕之と申します。まだ右も左もわからない状況でご心配ご迷惑をおかけするかと存じますが、皆様の力をお借りしながら役員一丸となって精一杯務めさせていただきます。宮事研会員の皆様、そしてホームページを閲覧いただいている皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
・国の動向・宮城県の現状
ここ最近の中教審答申や関係法令の改正など国の動向としては、平成27年チーム学校の一員としての公務運営への参画、平成29年学校教育法改正事務に従事するから事務をつかさどるへ、同年地教行法改正共同学校事務室の制度化、同年教職員定数法改正共同学校事務室加配の整備、令和2年標準職務表例の通知、令和6年共同学校事務室設置促進のため共同学校事務室には原則として加配措置を行う、など大きな動きが続いています。
宮城県では、平成27年度共同実施本格導入から11年目を迎えます。共同実施は事務の平準化・効率化や相互支援には大きな力を発揮したものの、一方で力強く教育を支援するには至っておらず、むしろ我々の業務の多忙感が増し、制度の限界を少なからず感じています。今後全国的に取り組みが進む共同学校事務室の制度化に向けて取り組みを始めることが喫緊の課題と考えています。制度設計や目指す理由など皆で考えていければと思います。
・令和6年度宮事研事業
5月総会研修会ではアスピダ法律事務所男澤拓弁護士様より「学校事故に備えて」、11月多賀城市文化センターで開催の宮事研セミナーでは横浜市立日枝小学校事務職員上部充敬氏より「学校事務職員だからこそ楽しめる!職員室改革と子どもの学びの輝きを創る仕事~あなたのアイディアが学校をもっと面白くする~」、Well-being Fruition Lab代表清川知美様より「ウェルビーイングな働き方とは?」と題しそれぞれ講演いただきました。グループ討議では会員同士で日頃の思いを話し合いました。10月東北事務研岩手大会では「伊達なみやぎの学校事務職員の客観的ウェルビーイング~事務職員実態調査結果からアプローチする新しいみやぎのビジョン~」と題し発表を行いました。令和9年度全事研宮城大会兼東北大会実行委員会(以下実行委員会)を立ち上げ大会の準備を進めました。
・令和7年度宮事研事業
今年度もわたしたちが掲げる「宮事研ビジョン みやぎの子どもたちの豊かな育ちのために~魅力ある学校づくりとともに~」をもとに会員の皆様と研究会活動を進めていきます。
組織運営につきましては、総会において承認いただきました全事研への組織加入についての協議を進めるべく「全事研加入へ向けての臨時委員会」を立ち上げました。目的を「宮事研が全事研に組織加入した場合に考えられる利点及び課題の論点整理」とします。各委員の皆様のご協力に感謝申し上げるとともに活発な議論を期待します。宮事研は全事研を脱退した過去がありましたが、その後も任意加入により精力的に活動を続けてきた宮城支部様とともに、改めて全事研に加入することの意義を見つめ直し、未来に向けてよりよい方向へと進んでいく組織となるための委員会となるよう願っております。
総会において承認いただきました「第6次中期研修計画」の初年度事業が達成されるようご協力をお願いします。なお、本計画より年次課題を全事研研究中期計画とリンクさせることとしました。全国的に取り組まれている課題を取り入れながら研修を進めていきます。
5月総会研修会では尚絅学院大学名誉教授北條祥子様より「今、世界的に急増している環境過敏症(環境不耐症)とは?日本でも、香害やデジタル教科書導入で不登校となっている児童生徒がいる?」、10月研究大会では福島県事務研様より「次世代につなぐ県事務研と全事研」と題し、宮事研と同様に全事研に組織加入していなかった福島県事務研様が加入することとなった経緯や加入後に実際どうだったのかなどのお話を、教育研究家一般社団法人ライフ&ワーク代表理事OCC教育テック大学院大学教授妹尾昌俊氏より「「学校を変える力」になる~学校改善と学びの環境整備で、学校事務職員ができること~」と題し、令和9年宮城大会テーマへのご示唆をいただくようなお話を、それぞれ講演いただきます。研究発表では、宮事研本部から「学校改善につながる事務改善の実践」、本吉地区から「本吉地区における会計処理について~学校徴収金口座振替全校導入~」と題し、それぞれ話題提供いたします。講演・発表をお引き受けいただきますことに深く感謝申し上げます。
・令和9年度全事研宮城大会
7月の全事研定期総会にて、第59回全事研宮城大会のテーマ・年次別課題設定理由の説明が本部より行われました。本大会は、令和6年度から始まった全事研の「第10次研究中期計画」4年次となります。年次別課題を「学校改善」、大会テーマを「学校改善を推進する学校事務」としています。引き続き実行委員会において大会準備、視察、情報収集などの作業を行っていきます。東北各県事務研の皆様からも、最大限協力したいと力強いお申し出をいただいており、大変嬉しく思っております。おそらく一生に一度しかないであろう全国の皆様をお招きしての大会開催という経験をみんなで協力し合いながら成功できますよう、積極的なご参加をお願い申し上げます。
・結びに
今まさに学校は変革の時代のど真ん中に位置しており、未来を担う子どもたちの豊かな育ちのため、わたしたち事務職員が何をすべきか、何ができるのかが問われています。全国の多くの仲間が研究し実践を進めているように、わたしたち宮城県も未来に向けて研究・実践を進め、伊達なみやぎの子どもたちのために、みんなで協力して進んで参りましょう。